居場所の「道義的責任」

私たちの居場所は「つなぐハウス」以外に、

相談支援や一時的なシェルターも兼ねた「つなぐカサ」という居場所があります。

社会的に一時保護が必要な子どもに対しても、おせっかいを超越して、

家族のように寄り添い、社会的経験や関係を再構築する事を目的に、時間や環境を提供しています。

それは個人の倫理観や価値観をつくる場所。感情的な行為を許される道義的責任が発生する場だと思っていました。

そういった居場所は、社会資源として必要な場所だと思っていました。

しかし今回、本当に辛い判断をしました。自分の居場所を否定したことをしました。

私たちは『一時委託保護施設』として正式に手を挙げようとしました。

彼女の今までを全てを受け入れ、彼女の未来を支える為に、

法人としてやれるだけは全てやってあげたいと思っていました。

しかし、彼女を支える為に提供する、個人の「善意」でつくられているつなぐハウスでの『疑似家族』では、

彼女の成長を年単位で支え、『道義的責任を彼女に果たせる場』として適格なのか?という自問自答に勝てませんでした。

私たちには考えもつかない、耐え難い人生を送ってきた彼女の一助になるには、

私たちが委託事業をうけた行政からのフォローが入っても、熱意だけでは片付かないのが「道義的責任」かなと。

私たちはこんなに頑張っているのに。

自分で蔑む判断をせざる負えなかったことを恥じています。

彼女が苦しんでいるのに。今、彼女の道をつくりきれない虚しさ。可能性を潰してしまうかも。信頼を損ねることへの不安などなど。焦燥感が半端ないです。

でも改めて、心にきめたこともできました。

居場所で「道義的責任」が果たせる全ての資源を手に入れよう!!!!

今のカタチではできないけど。沢山の方が関わることで「道徳」「義理」ってしることができる

社会的に救われる子どもや若者を一人でも増やしたい。

その為に、新設の居場所でありゲストハウスをつくりたい!

昨年度の休眠預金事業の勉強会での登壇者であった『ヤドカリハウス』のNPO法人場づくりネット さん。

やどかりハウスとは~街に生まれた雨風しのぐ宿~|やどかりハウスの日々

私達は、来年、この仕組みを真似してつくります。

その際は、是非皆さんの力を貸してください。

助けきれなかったと嘆くことより、子どもの未来をつくりたいとおもいます。

目次