【若者の成長とシェルター機能】

つなぐが「やっぱり、自由がきくシェルター機能が必要だ」
と強く心した、ある若者との出会いから約1年。
先日、その若者が無事、成人年齢を迎えました。
法的な制度へもつなぐことができ、
今ではアルバイトができるまで身元が整い、
一生懸命、社会と向き合いながら生活を送っています。
「次のテストはオール●●点以上!」と目標を口にし、
どうしても外したくなかったネイルを外す決断までした姿に、確かな成長を感じました。
将来の答えは、まだ明らかにしていません。
それでも今、若者はとても生き生きとした日々を送っています。
不安な気持ちが自傷行為につながったこともあり、
古い友人からの誘惑も多くあったのだと思います。
私や法人が“親代わり”のような関係性で関わる日常の中、
音信不通になったことも、親子喧嘩のように衝突したことも、たくさんありました。
それでも、関わり続けた一年。
私たちの「未熟なシェルター」を若者が信じてくれたことが、
何よりも、私たち大人をもう一度立ち上がらせてくれました。
理事会では、行政や制度に腹を立て、何度も涙しました。
多くの関係機関や個人の方々を巻き込みながら、試行錯誤を重ねた一年でした。
今、走馬灯のように浮かぶのは、
「この子の手を離さなくてよかった」という想いです。
私の子や理事も交えて開いた、ささやかな自宅でのお祝いのパーティーでは、
大笑いしながら鍋を囲み、お腹いっぱい食べました。
成長した若者の穏やかな表情が、これまでのすべての苦労を、静かに払拭してくれるようでした。
これから隣接して完成する「つなぐカサ」は、
潜在的な虐待や困窮を抱える子ども・若者に対し、
予防的に“つながれるためのシェルター”として機能します。
公的な補償も、継続性の保証も、何もない。
それでも信じてくれた若者。
紹介し、支え続けてくれた愛知PFSさん。
そして、私たちを支えてくれた支援者の皆さま。
基礎をつくってくださり、本当にありがとうございます。
そして昨日、愛知PFSさんが
「アウトリーチから見えてくる困難な問題を抱える若年女性の現状と支援」
という研修に、BONDプロジェクトさんとともに登壇されました。
地域団体同士の連携の重要性を、改めて実感する、非常に学びの多い一日となりました。
この一年は、一人の若者とともに、私たち自身が学び、研鑽した一年でもありました。
「つなぐカサ」の原点。
向き合い続けることができる居場所。
困難を抱える若者の耳にこの場所の存在が届き、一期一会の出会いが生まれることを願っています。
すでに70名を超える方のご支援が集まり、クラウドファンディングのゴールまでもう少し。
すき焼きの煮える、甘くておいしい匂いに誘われ、
あふれる笑い声に少し躊躇しながら、次の若者が扉を開く――
そんな出会いを楽しみに、建築は進んでいます。


